「年商1,000万円」って実際どうなの?本当に生活できる?どれくらい手取りが残る?
本記事では、仕入れがほぼ発生しない無形サービス(システム開発/業務改善プロジェクト/研修講師)で実際に稼働している私自身の、収支構造をリアルに解説します。
※あくまで私の場合です。前年度の所得、その他個々の状況により差が出ます。
*本記事は動画の内容をブログ向けに再編集したものです。
動画派の方は以下からどうぞ。
年商1,000万円は「すごい」?―まずは基準の話
地方と都市部では年収の「相場感」が違います。
都内では会社員年収1,000万円も珍しくない一方、地方では高収入の部類に入ります。
独立を考える会社員(例:年収500万円)にとって、「年商1,000万円」はわかりやすい目標になると思います。
ただし売上=自由に使えるお金ではありません。
会社員の手取りが天引き後の金額であるように、フリーランスも各種の支出を差し引く必要があります。
結論、私のような無形サービス系の業務の場合、年商1,000万円でも手取り(可処分)は概ね600〜700万円の目安。もちろん条件次第で増減します。
売上から引いて考えるもの
いわゆる経費、税金や社会保険料など、支払う必要があるものは人それぞれです。
私の場合、健康保険は前職の任意継続を利用しているため、3万円台です。
- 経費:PC・ソフト/サブスク、通信費、書籍・セミナー、旅費交通費、在宅ワークの家事按分(電気・ネット等)など
→月10万円ほど - 税金:所得税(累進課税)、住民税(概ね10%)
- 社会保険:国民年金、健康保険(任意継続や国保、扶養の扱い)
経費の中で、実際に外にお金が出るものと、出ないけど経費として計上するものがあります。
実際に出るもののうち、一番大きいのはウェブサービスなどの「サブスク」です。
AIツールや、サーバ代、AdobeやCanvaといった業務ツールなど、なかなか結構、利用しているものです。
(会社員だったら、会社の経費で使えるので気にしたことない人が多いと思いますが。。。)
会社員時代に会社が負担してくれていた部分(健康保険の事業主負担など)も自分の支出になります。
特に健康保険は、家族人数分の負担になる点に要注意です。
また、高額資産は減価償却(例:PC30万円を一括で経費化できないケース)という会計ルールも押さえておきましょう。
私は4月以降、PCを新調し、事業用の新車を購入し、自宅を改築して事務所にした分が減価償却の対象となります。
他にも、初年度ならでは支出もあるため、ご自身の事業に必要なものを見積もる必要があります。
参考までに、私の場合は棚(8万円)、机(4万円)、ポータブルクーラー(8万円)、ガジェット(10万円)などを支出しました。
ケーススタディ:研修講師の月売上と費用感
私が4月~7月に稼働した研修講師の場合、1日5万円×20日稼働=月100万円規模の売上となりました。(ウェブアプリケーション開発の新卒社員研修です。)
実際の相場感として月80〜100万円の案件が多めです。
宿泊・交通費を企業負担にできれば粗利は厚くなりますが、自己負担だとここが経費として大きい金額になります。
都内長期滞在+新幹線で月20万円程度かかっていましたが、私の場合は企業様でご負担いただきました。
7月以降は在宅での業務が中心となり、光熱費、ネット、スマホなどを家事按分で一部経費計上しています(按分割合は要妥当性・要相談)。
持ち家なので、家賃という考え方がなく、増築した費用を減価償却費として経費にしています。
税金と健康保険:見落としやすい「重さ」
税率は累進課税で、住民税は一律10%。売上が上がるほど負担は増えます。
健康保険は任意継続を選べば家族扶養のまま継続可能ですが、全額自己負担になる点に注意(月3〜5万円など、前職年収で変動)。
売上規模が1,500〜2,000万円を超えてくると、法人化を検討すると保険や税制面の選択肢が広がるケースもあります。
この部分は意外と重くのしかかります。
年商1,000万円→手取りはいくら?(目安)
無形サービス中心で仕入れがほぼ無い前提なら、年商1,000万円 − 経費 − 税金 − 社会保険 ≒ 手取り600〜700万円がひとつの目安。
※旅費自己負担やサブスク増、設備投資や家族構成などで上下します。
重要なのは売上の平準化。プロジェクトは3〜6ヶ月更新が多く、“仕事が薄い月”が普通に発生します。
例:4〜6月は研修で月100万円でも、7月はほぼ売上ゼロという実例あり。
年間計画は「空白月」を前提に。
だからこそ、本業とは別に副収入を用意すると安心です。
私の場合、教育コンテンツの販売と、プログラミングスクールのメンターがそれにあたります。
副業の話について、こちらの記事でもご紹介しています。
開発系の単価相場とアップサイド
一般的な開発常駐の平均月単価は80〜100万円が目安です。
これを高いと思うか?安いと思うか?は人それぞれでしょうけれど、例えば地方のIT企業でプログラマーの人の年収はいくらでしょうか?
そう考えると、決して悪い金額ではないと思います。
また、AI開発やデータ分析などの専門性があると120〜150万円レンジの案件も視野に入ります。
リスク管理の要点(40代フリーランス)
一般的に言われるのが「安定しない」ということですが、これはプロジェクトにもよります。
長期プロジェクトで、安定的に稼働している人もいれば、短期を渡り歩いている人もいます。
仕事をするもしないも選べるのがフリーランスのメリットでもあるので、私の場合は夏休みは子どもと遊びたいので仕事を入れませんでした。
長期プロジェクトだと、「丸1か月休みます」というのは難しいので、その辺も考えて仕事を受注しないといけません。
その他、リスク管理の要点をまとめておきます。
- 資金繰り:税・保険・消費税(該当時)を見越した口座分別と引当
- 保険戦略:任意継続/国保/(将来)法人健保の比較検討
- 費用対効果:PC等の設備投資と原価償却の理解
- 営業の前倒し:「切れ目対策」を常に実行(次の商談・面談・提案)
- 分散:単一収入源に依存しない(受託+教育+コンテンツ等)
他の動画でも話していますが、私は臆病なので、起業準備時代からたくさんの副業を試し、フリーランスになっても最低限の生活費を確保するための副収入は用意しています。
これは、本当におすすめです。
さいごに:数字だけでなく「働き方×お金」を両輪で
フリーランスの魅力は、時間・場所の自由と、仕事を選ぶ自由。
一方で、収入の波を受け止める準備が不可欠です。
年商1,000万円は「通過点」。
可処分の最大化と継続性を設計していきましょう。
本記事が、独立を考える方の現実的な判断材料になれば幸いです。
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